[趣味・教養] ごほうびごはん こもとも子(著) ①
池田咲子(いけだ さきこ)、社会人1年生。
池田の楽しみは週に1度、思い切り美味しい物を食べる‶ごほうびごはん〟。
「今週はどうしようかなー」
商店街を歩きながら、漂う飲食店の香ばしい香りに目移りする。
いくつもある店の中から、今週の池田の射止めたのはカレーだった。
ショーウインドウにある食品サンプルから
エビカレーに心を奪われた池田は店の中を覗いてみた。
お客さんは男ばかりで、今から店に入っては相席になることは必至。
週に1度のご褒美タイムがそれでは心も休まらない。
池田はカレーを諦めて他の店にいくことにした。
うなぎ、天丼。
魅力的な食べ物はあれど、どうしてもエビカレーが脳裏をよぎる。
エビカレーが食べたい。
すると、池田の横を親子連れが通り過ぎた。
エビフライに喜ぶ子供の声、親の手にはスーパーの袋が握られていた。
(その手があった!!)
お店で食べられないなら自分で作ればいい。
池田はスーパーへと駆け込んだ。
店内に並ぶ数種類の海老。
小さい剥きエビにしようか、ブラックタイガーにしようか。
どうしたものかと悩んでいると
横目に神々しく輝く海老が映りこんだ。
20%オフの値札が付けられた高級食材・伊勢海老。
運命を感じた池田は明日からの節約を決めて購入し
最高の海老カレーをつくりあげた。
大海原を感じさせるほどの海老存在感。
ソテーは食べ応えのある食感で
煮込んだ方はプリプリとした食感。
高級食材を余すところなく堪能して至福の時を過ごした池田であった。
会社で頂きもののビールがあるということで
欲しい人の取り合いになった。
そこに名乗りをあげた池田は見事にビールを勝ち取った。
今日のごほうびごはんにビールが合いそうだと感じたのだ。
冷蔵庫から取り出したのは3日間寝かせた半熟煮たまご。
しっかりと半熟に仕上がっているかとドキドキしながら
紐でたまごを切ってみる。
すると、中からとろりと流れ出てきた黄身。
最高の出来栄えだ。
ビールをグラスに注ぎ、まずは一口。
煮たまごの黄身を軽く啜る。
金麦のテーマソングが頭の中に流れだし
麦畑を玉子片手に駆け巡る自身の姿が想像された。
麦とたまごの絶妙なコンビネーション。
煮たまご完成時にビールが舞い込む。
これぞまさに、ごほうびごはん。
週に1度のごほうび。
それがないと私も生きていけません。
池田には非常に共感してしまいます。
外食ばかりでなく、自炊も織り交ぜているあたりが嬉しい所。
私のご褒美メニューのレパートリーが増えそうです。
そこまで手の込んだ料理ではなく
男の料理とでもいうような、シンプルで美味しい料理の数々。
ご褒美はそうでなくてはいけませんよね。
のらりくらりと気の向くままにお店を選んだり
ご褒美だからと妥協をしていない所も清々しい。
味の感想が結構細かく、表現が多様で
読んでると食欲がそそられます。
地元のまだ行ったことのない店も
少し勇気を出して、自分へのご褒美がてら足を運ばせてみよう。
そういう気持ちにさせてくれる作品です。
まるで私の生活を見ているかのようだ。
同じようなことを何度か私もしております。
煮たまごは頻繁につくっており、半熟に仕上げるのに苦労している。
漬け汁の作り方でお手軽コースと本格コースが紹介されている。
以前は本格コースと似たやり方で作っていましたが
最近では市販のラーメンスープにそのままぶちこんでいます。
超お手軽コースとして、ここでご紹介。
醤油味だけでなく、味噌味、塩味にしたり、ダシの違いも楽しめて結構おすすめ。
煮たまごを作ってからそれを燻製にしたりもしてます。
私のごほうびごはんです。
休日はご当地系レトルトカレーを食べると決めてるのも
私のごほうびごはんの1つと言える。
地方の特色がカレーに反映されていて
美味しくもあり、面白くもあります。
もうそろそろ47都道府県を制覇しそうです。
日本を食べつくしたら次は世界ですね。
世界にはまだ見ぬ料理がたくさんあるでしょう。
聞いたことのない風習も多々あります。
文化の違う人たちとひとつ屋根の下で暮らしたら
色々な発見があるでしょうね。
出来れば小さい女の子がいいですが。
次回はそういう作品をご紹介。
検索用ワード:趣味・教養 グルメ