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[ファンタジー] 魔法使いの事情 西原梨花(著) ①

IMG_4064.jpg

車に轢かれた猫。
女子高生の小鳥遊 えこ(たかなし えこ)は朝から少し嫌な気分になった。
可哀相だとは思う。しかし何も出来ることはない。

すると、男子高校生が猫に駆け寄り、抱きかかえて裏路地の方に走っていった。
あんなにも血塗れな猫をどうするのだろう。
小鳥遊は興味本位で、男子のあとを追いかけた。

「ニャー」
そこに、大怪我をした猫はいなかった。
いたのは元気な姿で男子と戯れる猫の姿があった。

男子の名前は一ノ瀬 修(いちのせ しゅう)。
彼は魔法使いだった。

IMG_4124.jpg

怪我を治したり、壊れたものを直すことのできる魔法使い。
小鳥遊は体育で転んだときに作った小さな怪我を一ノ瀬に見せると
一ノ瀬は魔法で簡単に治してみせた。
痛みもなく、傷跡も残らない。
まさに完璧な治療であった。

その後、携帯の液晶が割れてしまったときも
一ノ瀬は修理屋顔負けに、完璧に直してみせた。

小鳥遊は事あるごとに一ノ瀬に依頼。
友達が怪我したときも一ノ瀬に治してもらい
だんだんと一ノ瀬の魔法は知れ渡っていった。

人から良く頼まれるほどに噂される一ノ瀬の魔法。
小鳥遊は魔法を使うだけで人気者になれる一ノ瀬を羨ましくおもい
また一ノ瀬が忙しくなることで自分が頼みづらくなることを疎ましくさえ思っていた。
それに魔法を使うにも体力が必要であろう一ノ瀬を労う小鳥遊。
しかし一ノ瀬は「誰かの役に立てることが嬉しいんだ」と何事もなく笑い飛ばした。

ふと、道を横切るあのときの猫。
一ノ瀬の姿を確認して、すぐに裏路地の方に歩き去ってしまった。
小鳥遊は、血塗れで倒れた猫が可哀相だと思いながらも
怖くて何もできなかった心中を明かし
「一ノ瀬助けてくれてありがとな」と感謝の言葉を贈った。
小鳥遊が言うことではないが、きっと猫もそう思ってるだろうと伝えながら。

後日、紙で指を切ってしまった小鳥遊は一ノ瀬を探していた。
1人でこそこそと何事かしてる一ノ瀬を見つけた。
すぐに指を治してもらおうと話しかけようとして、口を噤んだ。
バンドエイド片手に、袖を捲りあげた一ノ瀬。
その腕には無数の傷跡があったのだ。

手元が狂って落として割れた瓶を、一ノ瀬は自慢の魔法で修復する。
すると、一ノ瀬の腕に、まるで鎌鼬でも起こったかのように傷ができた。
それが一ノ瀬の魔法の代償であった。

IMG_4128.jpg

小鳥遊は一ノ瀬にズカズカと歩みより
掴みかかって服を脱ぐように命令した。
そこには全身傷だらけの一ノ瀬の身体があった。

何も言わずに魔法で治してくれる。
そんな一ノ瀬の優しさに甘えていた。
気にしなくていい、これからも頼って欲しいと一ノ瀬は話すが
あんな姿を見てしまって、今までのように頼れるわけもない。

「なんでそこまでして他人を助けるんだよ?」
当然のように浮かんだ小鳥遊の疑問が、一ノ瀬に向けられた。
誰かが酷い怪我をしていたらどうするか。
普通の人ならば心配する、それで終わりだ。
それ以上のことはできない。
「でも、僕はそれ以上のことができてしまうんだ」
一ノ瀬も自分がしていることが、当然のことのように返した。
できるからする。できることはしなければならない。
ただ、それだけのことだと。

だが、小鳥遊には理解できなかった。
誰かを助けられなくてもいい。
自分が痛い思いをする方がイヤだと。

「僕があの時、猫を助けたのは、間違いだった?」
その質問に答えることはできなかった。
小鳥遊は一ノ瀬になおしてもらうことをやめた……。

それで一ノ瀬の傷が無くなる訳ではない。
既に魔法は広く知れ渡り、毎日毎日一ノ瀬は魔法を酷使する。
その度に一ノ瀬は傷つき、血を流した。
自分が傷つくことを省みずに苦しむ一ノ瀬の姿をみて
小鳥遊は涙を流すことしかできなかった。

放課後、小鳥遊はあのときの猫とじゃれあっていた。
猫を助けたのは間違いだったのか。
その答えは見つからない。

猫に別れを告げると
猫は車通りの多い、大通りの方に歩いていった。
嫌な予感がする小鳥遊。
そして、予感は最悪な形で的中した。

目前に迫るトラックの前を横切ろうとする猫。
あの猫を助けるために一ノ瀬は傷ついた。
一ノ瀬のしたことを無駄にしたくない。
駆け出した小鳥遊。
猫を庇う形でトラックの前に飛び込んだ。

絶体絶命の瞬間、駆け付けた一ノ瀬の力もあり
猫も小鳥遊も無事にすんだ。

IMG_4134.jpg

血まみれの一ノ瀬。
だけど、今回は小鳥遊も傷だらけだ。


一風変わった魔法を使いたちの日常を描く5編のオムニバス。
その第1話となる優しすぎる魔法使いをご紹介しました。

魔法が使えることで苦しむ彼らの姿。
ファンタジーな設定でありながら
現実の中をありのままに生き抜く彼らに、心動かされる。

特に出来るからすると自己犠牲の精神で
魔法で人々を癒す一ノ瀬の優しさに感銘を受けた。
またその事情を知りながら、見守ることしかできない小鳥遊の
悩ましい気持ちに痛ましくなる。
そして、その気持ちは第3話でより深いものになる。

作中の魔法使いたちは、どれこれも癖のある魔法で
これからどのように生活するのか、気になるキャラクターばかり。
そんな彼らに寄り添う人々の動向も気になる所。

心を揺さぶられる。
魔法に翻弄されながらも懸命に生きる彼らの生き様に考えされられる作品です。


魔法を使って人を治すことはできないが
医療機器を使って人を治療する手助けはしている。

現代の精密機械は昔の人にしてみれば
まさに魔法のようなものだろう。
もしかしたら、私も魔法使いの一員なのかもしれない。
いや、私のことを魔法使いと呼ぶのは、あと2か月半待ってください。
まだ私は29歳です。

昔の天才科学者たちが現代に呼び出せたらどうなるでしょうか。
現代の技術に驚いたりするでしょうか。
昔の天才科学者たちの発見した法則や原理は
今の数多の機械にも根付いております。
それらにきっと感動することでしょう。
そして、今の子供たちの科学嫌いも克服させてほしいですね。
次回はそういう作品をご紹介。


検索用ワード:ファンタジー 超能力 オムニバス 
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